芒種(ぼうしゅ)は、季節を表す二十四節気の一つで、穂物の種蒔きの時期を示します。「芒(のぎ)」とは、稲や麦などの穂先に見られる針のような突起のことを言います。この頃になると雨が多くなり、田んぼや畑には新たな命が息づきます。この芒は非常に縁起の良い日で何かを始めるのにぴったりです!
芒種とは
「芒種(ぼうしゅ)」とは、二十四節気の一つで、穀物の種まきの頃を指すとされています。二十四節気は、一年を春夏秋冬の4つの季節に分け、それぞれをさらに6つに分けたもので、芒種はその9番目にあたります。
定気法では太陽黄経が75度のときで6月6日ごろになります。
芒種の意味
“芒種”という語は、文字通りに解釈すると「芒のある種を蒔く」という意味になります。ここで「芒(のぎ)」は、稲穂の先端に見られる針状の突起を指す言葉です。したがって、芒種は稲などの芒を持つ植物の種を蒔く、または田植えを開始する時期の節目とされています。
2024年の芒種はいつ?
2024年の芒種は6月5日です。
芒種の過ごし方
芒種の期間は天候が不安定で雨が多くなる傾向があります。これは植物の育成にとっては恵みの雨となり、若干の水やりを怠ったとしても大きな影響を及ぼさないタイミングです。この恵みの雨を活用して、新たに植物を育て始めるのはどうでしょうか。バジルやカブ、大根、ニンジンなど、種から育てられるさまざまな植物があります。これらの種をまくのに最適な時期でもあります。
芒種は縁起の良い日、お稽古事を始める日
芒種は縁起の良い日…と言われていますが、これは芒種が稲や麦など穂先に針のような突起(芒)を持つ植物の種を蒔く時期を表す言葉だからです。
新たな一歩を踏み出す、そんな日はまさに主食である穀物の種を蒔き、すくすくと成長させるのに最も良いと言われる芒種が良い、ということなのだそうですよ。
そのため、芒種は
- 物事を始めるのに縁起が良い日
- 習い事を始めると上達する日
- 何かを育てるのに縁起の良い日
と言われています。
ただし、これは一説に過ぎません。芒種が縁起が良いと言われるには他にも理由がありますので、下記で説明しますね!
芒種は伝統芸能の稽古始め
かつての寺子屋や私塾では初午に入門する習わしがありましたが、歌舞伎、能、狂言などの伝統芸能では、芒種と梅雨のこの時期、特に6月6日を「稽古始め」としています。
この日を選ぶ理由は、6歳の6月6日に初稽古を始めることが良いとされてきたからです。指を折って数えると6でちょうど小指が立つため、「子が立つ」と解釈され、縁起の良い日とされたのです。
さらに、ゾロ目は縁起が良いとされ、6が3つ並ぶ6歳の6月6日に何か芸事を習い始めると、子が一人立ちするという意味合いがあったそうです。
この習慣は、室町時代の能の大成者・世阿弥の「風姿花伝(ふうしかでん)」に由来しています。
世阿弥の「風姿花伝(ふうしかでん)」について
風姿花伝(ふうしかでん、風姿華傳)は、世阿弥が記した能の理論書。世阿弥の残した21種の伝書のうち最初の作品。亡父観阿弥の教えを基に、能の修行法・心得・演技論・演出論・歴史・能の美学など世阿弥自身が会得した芸道の視点からの解釈を加えた著述
wikiより
この世阿弥の「風姿花伝」には、能の稽古は数えの7歳(満の6歳)から始めるのが良いと記されています。そのため、伝統芸能では6歳が重要な節目となっています。
この由来を受けて現代では、6月6日は「生け花の日」「楽器の日」「邦楽の日」などと定められています。年齢は学ぶことの始まりに関係ないと思われがちですが、「芒種はや人の肌さす山の草」や梅雨の雨が作物の成長に欠かせない恵みであるという考えから、子どもが芸事を始めるには芒種と梅雨に深い関連性があると考えられます。
梅雨時の子供たちの過ごし方
梅雨真っ只中の季節。普段は外で元気に遊んでいる子供たちにとって、この季節は少し退屈かもしれません。しかし、外で遊べない代わりに、楽器や伝統芸能を教えるには最適な時期とも言えます。雨に濡れずに家の中で集中して学べる時ということですね!
芒種の時期の花や旬の食材
芒種の時期の花や旬の食材をご紹介します!
芒種の旬の花は紫陽花
芒種の季節に咲く代表的な花は紫陽花です。日本固有の花であり、その姿は梅雨時を象徴します。古くから親しまれ、鎌倉時代に園芸化され、江戸時代には一般的な庭園植物となりました。
芒種の旬の食材はトマトと縞鯵
芒種の時期に旬を迎える野菜にはトマトがあります。夏に取れる「冬春トマト」と、夏から秋に取れる「夏秋トマト」は、太陽をたっぷり浴びて糖度が高く、味が濃厚です。また、海の恵みでは「縞鯵(しまあじ)」が旬を迎えます。大きなものは1mにも達し、「オオカミ」と呼ばれることもあります。
芒種の行事は田植えと祭りと父の日
この時期には、全国各地で田植えの祭りが行われます。その一つに、大阪の住吉大社で行われる御田植神事があり、豊作を祈ります。また、6月の第3日曜日は父の日であり、感謝の気持ちを父親に伝える日です。田植えなら、この卯の日や辰の日、酉の日の記事も読んでね!
芒種の季節は、自然の変化と共に行われる人々の生活や行事が密接に結びついています。それぞれが旬の魅力を存分に発揮し、生活を豊かに彩っています。
芒種の季語
芒種はそれ自体が6月の季語となります。あじさい、雨蛙、梅雨なども同じですよ〜。
芒種の候
「芒種の候」という表現は、6月上旬から中旬の挨拶として用いられます。この「候」は時候の挨拶と呼ばれ、手紙の前文で頭語(例えば「拝啓」など)に続いて季節感を表す表現のことを指します。時候の挨拶には、堅めの印象を与える漢語調と、柔らかい印象を与える口語調の2つがあります。「芒種の候」はその中で漢語調にあたり、特に格式ばった場面で使われることが多いです。
芒種の七十二候
この芒種の時期の七十二候は下記になります。
初候、蟷螂生(かまきりしょうず)
初候(6月5日〜6月9日頃)は「蟷螂生(かまきりしょうず)」で、農作物を守り害虫を食べてくれるかまきりが誕生する時期を示します。
次候、腐草為螢(くされたるくさほたるとなる)
次候(6月10日〜6月15日頃)の「腐草為螢(くされたるくさほたるとなる)」は、ホタルが光を放ち始める季節を表します。
末候、梅子黄(うめのみきばむ)
末候(6月16日〜6月20日頃)の「梅子黄(うめのみきばむ)」は、梅雨が始まり梅の実が黄色く色づき始める時期を象徴します。
梅雨と芒種
芒種の時期から梅雨が始まります。
暦の上で、立春から約135日後、つまり6月11日前後を「入梅(にゅうばい)」とし、これから約30日間が梅雨の期間となります。この時期は蒸し暑さが増し、同時に梅が熟す季節でもあります。そのため、この季節に特有の雨を「梅雨」と呼ぶのです。
気象庁による公式の梅雨入りの発表は年々異なり、地域によってもその時期は大きく異なります。しかし、どの地域でも「芒種」で種蒔きを終える頃には、雨季が始まることが一般的です。確かに、梅雨のシトシトと降る雨はうっとうしい感じがしますが、それは同時に作物を育てるための恵みの雨でもあります。自然の循環の一部として、この時期の雨を迎えているのです。
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