土用といえば「鰻を食べる日」と思われている方も多いでしょう。
この土用のスピリチュアルと土用の丑の日のスピリチュアルについてです。
土用のスピリチュアル
土用とは、四季の変わり目にあたる四立(立春・立夏・立秋・立冬)の直前の約18日間を指します。この期間は陰陽五行説に基づき、「土」の時期とされ、自然界のバランスを保つための重要な時間帯です。
土用の由来
土用の起源は、古代中国から伝わる自然思想「五行説」にあります。五行説とは、世の中の全てが「木・火・土・金・水」の5つの性質に分けられるという思想です。
この五行説で四季を当てはめると下記のようになり「土」が余ります。
- 春=木
- 夏=火
- 秋=金
- 冬=水
そこで季節が終わり新しい季節が始まるまでの期間を「土」としました。それが「土用」の由来となります。
2024年の土用の期間
2024年の土用期間は下記になっています。
土用の春夏秋冬 | ⼟⽤の丑の⽇ | ⼟⽤の期間 | 二十四節気 (にじゅうしせっき) |
---|---|---|---|
2024年冬の⼟⽤ | 1月20日 2月1日 |
1⽉18⽇〜2月3日 | 2月4日立春 |
2024年春の⼟⽤ | 4月16日 4月28日 |
4月16日〜5月4日 | 5月5日立夏 |
2024年夏の⼟⽤ | 7月24日 (一の丑) 8月5日 (二の丑) |
7月19日〜8月6日 | 8月7日立秋 |
2024年秋の⼟⽤ | 10月31日 | 10月20日〜11月6日 | 11月7日立冬 |
風水の基礎となっている東洋暦で、季節が変わる二十四節気の立春、立夏、立秋、立冬。この4つの節気の前の18日間を土用と呼んでいるのです。丑は干支の「子(ね)、丑(うし)、寅(とら)、兎(う)・・・」の丑のことで、土用の18日間の丑の日がいわゆる「土用の丑の日」になります。
土用のスピリチュアルと季節の変わり目
土用は次の季節へと変化する期間…それはすなわち季節が一度土に還り、新しい季節に向けて力を貯め変化していく期間なのです。
そのため、土用の期間は自己の再生と変化に対する準備期間とも言えます。冬から春へ、春から夏へ、夏から秋へ、秋から冬へと、季節が移り変わるたびに我々の身体や心もまた変化に対応しようとします。
土用の期間は、自身の内側に目を向け、自己と向き合う時間を持つことが推奨されます。自身の精神や心身のバランスを見つめ直し、必要な調整を行うことが求められます。それはまるで、土の中で力を蓄えて芽吹きの準備をする種のようなものです。
また、この期間は精神的な浄化にも適しています。思考や感情のパターン、過去の出来事など、必要なくなったものを手放すことで、新しい季節に向けた心の準備を整えることができます。これは、心のデトックスともいえるでしょう。
さらに、土用の期間は新たな活動を始めるのではなく、自己の内側に向き合い、自分自身を理解することに時間を費やすのが良いとされています。この自己理解というプロセスを通じて、次の季節に向けて必要な変化を自分自身で見つけ出すことができます。
したがって、土用の期間は自己反省と自己浄化、そして新しい季節に向けた準備の期間であり、我々が自己と向き合い、自己を理解し、新たな季節に適応する力を蓄える重要な時間といえます。
季節 | 五行説の象徴 | 特性 | スピリチュアルな解釈 |
---|---|---|---|
春 | 木 | 新しい生命が芽吹く | 成長と始まりのエネルギーがあり、新しいことを始めるのに適した季節 |
夏 | 火 | 活動的な時期 | 古いやり方に固執せず、変化を恐れずに行動することが勧められる |
秋 | 金 | 実りの季節 | 具体化や現実化のエネルギーがあり、目標を明確にし、具体的な行動に移すことが推奨される |
冬 | 水 | 内省の時期 | 知識や知恵を深め、自己浄化することが推奨される |
土用にしてはいけないこと
この土用の期間のスピリチュアルで大事なことは「してはいけないこと」です。
土用は土公神が支配する期間でもあります。土公神は土の神様、土公神様の嫌がることはやってはいけないのです。
土用の間日と土公神
土公神は陰陽道の土を司る神様です。読み方は「どこうしん」、他にも「つちぎみ」「どくう」「どこう」「どくうじん」とも呼ばれます。土神様ですね!
この土公神様が土を支配するのは土用期間になります。そのため、土用期間に土を動かしてはいけないとされています。
土用にしてはいけないこと、土を動かすとは「草むしり」「種まき」「井戸掘り」「家づくり」
土を動かす、というのは具体的には草むしりやガーデニング、種まきのように土をいじることや、井戸掘り、家づくりなどのことを言います。
- 造作(家を建てること)
- 修造(家の修理・修復)
- 柱立(家の建築で柱をたてること)
- 礎を置くこと(礎は柱の下に置く土台です)
- 井戸掘り
- 壁塗り
- 草刈り
- 草むしり
- 地鎮祭
- 建築の基礎工事
- 造園
- 穴掘り
またこの土用期間は葬儀も忌むことが多いです。
土用にしてはいけないこと、新しく始めることや場所を移動すること
土用は季節の変わり目に当たり体調を崩しやすい時期なため、土用には転職や就職、結婚や新居購入、旅行といった「新しく始めることや場所を移動すること」は避ける風習があります。
土用なのに旅行に行ったり、土いじりをしてしまった時の対処法
土用に土いじりや旅行をしてしまって、土の神様である土公神に怒られそう、運気が下がりそうというときは、下記の方法で土公神様に謝ってくださいね。
やり方はとても簡単で、動かした土や自宅の敷地に塩をまいてお清めをし、土公神に謝りましょう。心の中で唱えるだけでいいですよ。
もちろん塩は広範囲に撒くのではなく、ごく少量で十分です。
また土用期間中に工事を行わなくてはならない時は、神事を行ない土中に「鎮め物(しずめもの)」を埋めて工事の安全を祈願します。
土公神さまは土地の神様ですので、神事を行ない丁寧に工事の奉告をすればご守護下さる神様なのです。
土用期間中に土いじりをするなら「間日」にしよう 土公神と間日
年に4回にわたりそれぞれ18日間もある土用期間中にできないことがあると困りますね。土用期間中には「間日(まび、かんじつ)」と呼ばれる「土を動かしても大丈夫な日」があります。
この間日であれば土を司る神様が天上に行く日で土を離れるため、土動かしをしても良いとされています。また間日には文殊菩薩のはからいで、土公神全てが清涼山に集められるので、土を動かしても祟りがないという説もありますよ!
4つの季節の土用それぞれの間日は下記となります。
春夏秋冬 | 間日 |
---|---|
春土用 | 巳の日、丑の日、酉の日 |
夏土用 | 卯の日、辰の日、申の日 |
秋土用 | 未の日、酉の日、亥の日 |
冬土用 | 寅の日、卯の日、巳の日 |
2024年~2025年の土用の間日
2024年の土用の間日
春夏秋冬 | 土用の期間 | 土用の間日 |
---|---|---|
春土用 | 4月16日~5月4日 | 4月23日、4月24日、4月27日 |
夏土用 | 7月19日~8月6日 | 7月19日、7月26日、7月27日、7月31日 |
秋土用 | 10月20日~11月6日 | 10月22日、10月24日、10月26日、11月3日、11月5日 |
冬土用 | 1月18日~2月3日 | 1月18日、1月27日、1月28日、1月30日 |
2025年の土用の間日
春夏秋冬 | 土用の期間 | 土用の間日 |
---|---|---|
春土用 | 4月17日~5月4日 | 4月18日、4月19日、4月22日、4月30日、5月1日、5月4日 |
夏土用 | 7月19日~8月6日 | 7月21日、7月22日、7月26日、8月2日、8月3日 |
秋土用 | 10月20日~11月6日 | 10月21日、10月29日、10月31日、11月2日 |
冬土用 | 1月17日~2月2日 | 1月21日、1月22日、1月24日、2月2日 |
土用の丑の日のスピリチュアル
『土用の丑の日』といえば夏の土用を思い浮かべる方が多いでしょう。
しかし、土用の丑の日と呼ばれる日は実は年に何度かあリます。春・夏・秋・冬にあります。4つの土用のそれぞれは、春土用、夏土用、秋土用、冬土用とも呼ばれ、大体の目安としては次のようになります。
- 冬土用:1月後半~2月初め
- 春土用:4月後半~5月初め
- 夏土用:7月後半~8月初め
- 秋土用:10月後半~11月初め
一般的には『土用の丑の日』といえば夏の土用を指します。ウナギを食べる夏の『土用の丑の日』ですが、今年は2024年7月24日 (一の丑)、8月5日 (二の丑)です。
2024年の夏の土用の丑の日は2024年7月24日 (一の丑)、8月5日 (二の丑)
2024年の夏の土用の丑の日は2024年7月24日 (一の丑)、8月5日 (二の丑)です!
土用の丑の日のスピリチュアルとウナギ
土用の丑の日は特にスピリチュアルな意味を持つと言われています。具体的には、人間の身体や心、エネルギーのリニューアルやリセットのタイミングとされています。夏の疲れを癒し、秋の新しいエネルギーに向けて自己をリチャージするための良い機会とされています。
土用の丑の日は、五行思想に基づく陰陽五行説における「土」のエネルギーが最も高まる日とされています。「土」は、万物を育む母なるエネルギーを象徴し、肉体的、精神的な浄化や再生を促す力があるとされています。
また、この日にウナギを食べる習慣がありますが、これにもスピリチュアルな意味が込められています。ウナギはその滑らかな体から流れや変化を象徴し、食べることで新たなエネルギーに対する適応力を得ると言われています。
この日はまた、自己を見つめ直し、自己理解を深める日でもあります。心の内側に目を向け、自分自身の感情や思考、行動について考えることで、自己の浄化と成長を促し、新たな季節に向けて自己のエネルギーを調整するのです。
スピリチュアルな観点から見ると、土用の丑の日は、古い自己から新しい自己への移行期間であり、自己を再生させるための重要な日といえるでしょう。
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