節分や豆まきでやってはいけないこと、することについてご紹介です。
伝統的な節分の行事は厄を払って福を呼び込む、除災招福の行事です。やってはいかないこととすることを知って、健やかに過ごしましょう。
節分やってはいけないこと
節分の時や豆をまく時にやってはいけないことのご紹介です。
何となーく豆を撒くより、やってはいけないことを知ってからやると、楽しいですよ〜!
節分やってはいけないこと、豆まきを家長や年男・年女以外がする
節分というか豆まきでやってはいけないことは「その家の家長やそれに準ずる長子、年男、年女以外が豆を撒く」になります。
鬼、すなわち厄はその家にやってきます。その厄を払って福を招くには、その家を守る家長が行うべきことで、家を鬼から守り家運を盛り立てるパワーのある人が行う方がいいのです。
これは風水や家相とも通じていて、恋愛運を上げたかった娘さんが家族で暮らす家のインテリアを変えた結果、家長である父親がモテるようになって家庭不和となった、という話も聞きます。その家の持ち主というだけではなく、家を運営する主たる人が豆を撒くのがいいでしょう。
また、その年の干支が生まれたや年の干支である年男・年女は年神様のご加護を受けてより強力な邪気払いの力があります。
特に最初の一投目は重要です。
家長や年男、年女が投げた後に、家族みんなで投げて鬼を追い払ってね!
厄年ではなぜ豆をまくのか
また、地方によっては厄年の方が投げるという風習もあります。
厄年とは人生の節目となる年で、一年を通じて体調や環境が変化しやすい年とされています。病気や事故にあいやすいなどとも言われ、男女ともに要注意の年なのです。その大きな厄を払うために豆をまくということです。
節分やってはいけないこと、炒り豆以外で豆まきをする
豆まきに使う豆は炒った豆でなくてはなりません。
理由は生の豆を使うと拾い忘れた豆から芽が出てしまうので縁起が悪いからです。
「豆を炒る」の「炒る」は「射る」にも通じていて、鬼を豆で射って退治する、ということですね!
ピーナッツや落花生で豆まきしてもいいの?やってはいけない?
「豆まきに使う豆は炒った豆」なのでピーナッツや落花生も炒ってあれば問題ありません。
「生落花生」と表記されているのでなければ、基本的に落花生もピーナッツも加熱してあります。
落花生は収穫後、5から7日程度かけて乾燥させ、その後茹でる・炒る等加熱してから食べます。
生のままの落花生を手に入れるのは落花生の生産地でなければ難しいので問題ありません。というか生落花生はなかなか高価なものなので豆まきには向かないかも…。
節分で落花生を撒く地域は東北や北海道といった雪が降る地域なんですよ〜。雪の中から大豆を探すのはかなり難しいですから。
豆まきの豆は大豆じゃなきゃダメでしょ!だって大豆は神聖なる五穀だから
この豆まきの豆に関しては「大豆じゃなきゃダメ!」と言われる方も多いようですが、豆まきの歴史を見ると元々は大豆ではなく小豆であった可能性が伺えます。また散米という米をまくものもあったそうです。
以前、節分の歴史として追儺をご紹介しましたが、その時に「撒豆驅鬼」という豆を撒いて鬼を追い払う風習も来ていたようです。これは「赤小豆禳疫法」という赤い小豆で疫を駆除する風習に由来しており、中国・漢の時代の大儺礼にもすでに「投赤丸」の儀式があったと言われています。
ただこの風習が実際に行われていたかどうかははっきりしていません。
日本で節分の豆まきが実際に行われていたと書かれているのは『看聞日記』(伏見宮貞成親王(後崇光院1372年〜1456年)の日記)と『花営三代記』(足利義満以後3代の室町幕府将軍に関して記した記録、武家日記)です。この二つには節分に大豆を撒いて鬼を追い払ったことが書かれています。
そして最も有名なのは『壒嚢鈔』(室町時代中期に編纂された辞典、1445年または1446年成立)になるでしょう。巻一の八十三「節分夜打大豆事」には、宇多天皇の時代(867年〜931年)に鞍馬山の僧正が谷と美曽路池(深泥池)の端にある石穴から鬼が出て来て都を荒らすのを、祈祷して鬼の穴を封じ、三石三升の炒り豆(大豆)で鬼の目を打ちつぶし、災厄を逃れ他ことが豆まきの由来である、と書かれています。
中国から伝来した「小豆を投げる厄除け」から大豆に変わったのは、価格の問題だったのではないかと思います。小豆は昭和の時代には「赤いダイヤ」と呼ばれる先物取引の花形でした。これは、冷害等により収穫量が数倍の幅で頻繁に増減し、単価が乱高下したことによります。
小豆は昭和の時代ですら、天候が収穫量に大きな変化をもたらすほど作りづらい作物だったのです。小豆そのものは縄文時代にはすでに存在していましたが、安定して収穫するのは難しく、粒も大きくカロリーも高く作りやすいため安価であった大豆に取って代わられたことは想像に難くありません。
小豆はその赤さが「疫病を払う、魔を祓う」と厄祓いに魔除けに平安初期から大活躍していました。しかし食べるのではなく厄祓いのために大量の小豆を消費するよりも、五穀の一つでこちらも「神聖な穀物」「魔を滅する豆」であった大豆にしたのでしょう。
特に豆まきが庶民の間で隆盛になったのは江戸時代です。江戸時代、小豆は大豆の2〜3倍くらいの価格でした。庶民が外に撒くにはちょっと高価な小豆はより大豆へと変わっていったのかもしれません。
包んである豆や炒り豆以外のナッツで豆まきしてもいいの?やってはいけない?
落花生や個包装の豆を豆まきで使えば、その後の掃除も楽ですよね〜。特に個包装なら、外に投げても回収しやすいですよね!
これまでの豆まきの変遷を見ても、ピーナッツや落花生を撒くことに問題はなさそうです。
下記の記事では「全く問題ない」となっていますね!
ただし個人的にはピスタチオやアーモンドなどの種子類はダメなんじゃないかと思います。
だって
- 豆は「穀物には生命力と魔除けの呪力が備わっている」という信仰
- 語呂合わせで「魔目(豆・まめ)」鬼の目に投げつけて鬼を滅する「魔滅」に通じる
- 鬼に豆をぶつけることにより、邪気を追い払い、一年の無病息災を願うという意味
なので豆というところは守りたい!
落花生は縁起が良い
落花生の漢字には「落ちる」という言葉を使うため、受験や試験を控えた人には縁起の悪い食べ物なのですが、落花生はひとつの房に多くの実を結ぶことから、商売繁盛や子宝祈にはとても縁起がいいんですよ〜。
落花生は花が枯れ落ちて地下に実をつけるため、明治7年に日本に入ってきた当初は「なんか変な成り方で気持ちわるいし縁起も悪そう」という理由からなかなか普及しませんでした。しかし明治十一年に千葉県より「落花生貸渡栽培方」の通達が出され、特に下総鎌数村(現在の千葉県旭市)では戸長の金谷総蔵氏が長い間強力に推進し、今では県の特産となっています。
節分やってはいけないこと、恵方巻きを食べるときに声を出す
鬼は人の欲に釣られてやってきます。
恵方巻きを食べるときは願い事を心の中で唱え終わるまでは絶対にしゃべってはダメです。
節分にすること豆まきにすること
節分や豆まきですること、しないといけないことをご紹介します。
豆まきにすること
節分当日はもちろん豆を撒きます。豆まきの大切なことを一覧にします。
正しいと言われている豆の巻き方です。
ただし、下記のやり方に捉われすぎず、炒り大豆で8粒を8回、計64粒を家長か年女、年男がまいた後は、ファミリーやカップルで楽しんだ方がいいのではないでしょうか。笑う門には福来るです。
- 豆は煎ったものを使う(煎る→射るで鬼退治、煎った豆は芽が出ないので厄が芽をださない)
- いった豆を当日の夜8時までに神棚に備えておく(昼までには供えたいですね)
- 枡にいれて撒く(枡→増すで利益が増す、節分の枡は豆まきの次の日、神棚に飾って貴金属を入れると金運アップ)
- 鬼が夜中に来るため節分は夜の8時~10時頃に行います。
- 玄関・ベランダ・窓など家のすべての戸を開放しましょう。
- 撒く回数は8粒を8回、計64粒(諸説ありますが、縁起のいい数字で8が多いです)
- 撒く方向は北東と南西(鬼門と裏鬼門)
- 撒く人は年男、年女、その家の家長
- 玄関から各部屋を回る
- 出入口のとことで「鬼は外、福は内」と2回ずつ繰り返し声をかけながら豆をまく
- 桝を左手に、胸の高さに持ち、右手で下手投げでまくのが正しいまき方
- 撒く時に塩も一緒に撒くとより厄よけになります
- 豆まきが終わったらすぐに全ての窓や扉を閉めて、鬼が入れないようにします。
福豆について、神棚がない場合
炒った大豆を桝に入れ、神棚にお供えしたものが福豆。神棚がない場合は目線の高いところに白い紙を敷いてお供えしてもよいでしょう。
豆まきの豆の食べ方、何個食べるか
豆まきが終わったら、豆をいただきます。この豆は「年取り豆」と呼ばれます。自分の年齢だけ、もしくは年齢の数+1個だけ食べるのが風習となっています。
豆まきの豆の食べ方、福茶
年の数の豆を食べられないという場合は代わりに「福茶」として飲む習慣もあります。とても縁起が良いと言われています。豆を食べきれなかったら、こちらを試してくださいね!
福茶の作り方
福茶の作り方は色々あります。有名なのは下記の2点です。
- 普通の緑茶に豆を三粒(縁起を担ぐため)入れて飲む
- 塩昆布、梅干し、豆を三粒を入れて緑茶を上から注ぎ飲む
豆まきの豆の食べ方、食べずに神棚へ上げる
一年間福豆を神棚に上げておくとその家には落雷がないといわれています。そのため、残りは神棚へ備える方も多いです。節分の枡は豆まきの次の日、神棚に飾って貴金属を入れると金運アップするのも有名ですね!
豆まきの豆の食べ方、神棚の豆を飲むと治る
上記の神棚の豆ですが、どんな医者でも治らない病気になったら神棚の豆を飲むと治るとも言われています。
豆まきは枡を使うと縁起がいい
元々は神様のお供物にも使われていた枡は、「神聖」「縁起物」として考えられるようになります。それは「ます」という読みが「増す」や「益す」に通じ、「幸福が増す」「益々めでたい」といったハレの日にふさわしいものだからでしょう。
また、枡の組み方は「入」の字に組まれており、これが「大入り」の縁起を担いでいます。
他にも木を合わせて作るというのが「気が合う」という語呂合わせになるんですよ〜。
豆まきにも縁起の良い枡を使ってね!
豆まき以外に節分すること
豆まき以外にも節分ではすることがあります。
節分にすること、ヒイラギとイワシの頭を玄関に飾る
節分の日には豆まきの準備以外に、ヒイラギとイワシの頭を玄関に飾ります。
これは追儺とは関係なく既に平安時代に始まっていた風習で、
- ヒイラギのトゲが目に刺さって鬼が近寄れないようにする
- イワシの頭は、その臭気に驚いて鬼が逃げるから
という意味があります。節分の当日、豆まきの前に行いましょう。
追儺の時代には桃の木と葦だった
現代では節分といえばヒイラギとイワシの頭ですが、追儺の時代には桃の枝と葦でした。
桃には厄除けの力があり、中国では不老不死の実であると考えられていました。神聖な桃の力で鬼を追い払っていたんですね。
他にもヒイラギや桃の枝だけではなく、ニンニクやネギを吊るす地方もあるそうですよ!
節分にすること、恵方を向いて恵方巻を丸かぶり
節分の夜にその年の恵方を向いて食べると、商売繁盛や無病息災で過ごせるという恵方巻きのご紹介です。
江戸時代末期頃、関西を中心に流行っていたといわれており、具はさまざまですが基本は7種で七福神にちなんでいるという説が有力です。包丁では切らず、頭から無言でまるかじりするのがよい、とされています。
これは鬼は人の欲に釣られてやってくるため、恵方巻きを食べるときに願いをしゃべると鬼が来てしまうのです。
節分までにやること
節分までにはお掃除しておいた方がいいですよ〜。
節分は季節の分け目、新しい春が来るのです。家を綺麗にしておきましょう!
特に玄関は運気の出入り口!
節分と立春についての記事
節分と立春についての記事は下記になります。
コメント 成功の口コミや疑問…読んでね!