七夕の日の食事といえば、そうめんですね〜。
暑い時期に食べやすいから、というだけではなく、七夕のそうめんには古い行事食としての意味があります。
そうめんの原型とされる索餅、無病息災を願う風習、織姫様の織り糸、天の川、そしてちょっと怖い「鬼の腹わた」という呼び方まで、七夕のそうめんにはいろいろな言い伝えが重なっています。
この記事では、七夕にそうめんを食べる意味、なぜ「鬼の腹わた」と呼ばれるのか、七夕の行事食、そうめん以外の食べ物についてご紹介です。
七夕のおまじないをしたい方はこちらへ。
七夕の短冊や待ち受け、願い事の書き方はこちらへ。
2026年の七夕はいつ
2026年の七夕は、2026年7月7日火曜日です。
七夕は毎年7月7日に行われる行事ですが、地域によっては8月7日や8月上旬に行われるところもあります。東北や北海道、長野など、月遅れの七夕を大切にしている地域もありますね。
2026年7月7日は、二十四節気の小暑にもあたります。小暑は、これから本格的な暑さに向かう頃です。
暑さが増してくる時期に、冷たいそうめんを食べて無病息災を願う…というのは、現代の暮らしにもぴったりですね。
七夕とは
七夕は毎年七月七日に古くから行われている日本のお祭り事で、五節句(人日(1月7日)、上巳(3月3日)、端午(5月5日)、七夕(7月7日)、重陽(9月9日))のひとつです。
七夕は地域によっては八月七日に行われることもあります。
由来や織姫様と彦星様の伝説を詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでね。
七夕の由来は乞巧奠
七夕の由来は、奈良時代に中国から伝わってきた「乞巧奠(きこうでん)」という風習と、日本の神事であった「棚機(たなばた)」の風習が混じり合って誕生したものという説がよく知られています。
平安時代にはすでに宮中行事として行われており、宮中では桃や梨、なす、うり、大豆、干し鯛、アワビなどを供えて星をながめ、香と音楽と詩歌を楽しみました。
このときすでに「短冊に願い事を書く」という原型があり、サトイモの葉にたまった夜つゆを「天の川のしずく」として、それで墨を溶かし梶の葉に願いを込めた和歌を書いていました。
この里芋の葉に願いを書く風習が江戸時代には庶民に広がり、笹の葉に願いを書くものになり、現在の短冊に書いて笹の葉に吊るすスタイルになりました。
織姫と彦星
織姫様と彦星様の物語を紹介しますね!
七夕にすること、何をする
織姫と彦星が一年に一度だけ出会える、ロマンチックな七夕の日…。この日には何をするのでしょうか。
七夕にすることはいろいろあります。
- 短冊に願い事を書く
- 七夕飾りを飾る
- 星を眺める
- 七夕祭りへ行く
- 遠くに住む人や会いたい人を思う
- 恋愛祈願をする
- そうめんを食べる
このページでは、特に七夕の食べ物、行事食としてのそうめんを中心に紹介します。
七夕にすること、お願い事を書く
七夕と言えば、まずはお願い事を書いた短冊を笹につるすことです。
実は、短冊には5色あり、それぞれ色ごとに適する願いがあります。詳しくはこちらのページをご覧ください。
七夕にすること、七夕飾りを手作りする
次に、七夕らしく部屋を飾り付けてみてはいかがでしょうか?
大きすぎる生きた笹だと置き場所に困りますが、手頃なサイズの造花なら一般の家庭でも楽しむことができます。折り紙で飾りを作り、笹に付けて華やかさを加えてみてください。程よい大きさの笹も七夕飾りもホームセンターなどで売られてますよ〜。
吹き流しは織姫様の織り糸、くずかごは清潔や倹約、網飾りは大漁や豊作、折鶴は長寿や家内安全、巾着は金運、紙衣は裁縫の上達や災い除け、短冊は願い事を書き込むものとされています。
七夕にすること、恋愛祈願をする
織姫と彦星のような恋人同士の関係を持ちたいと願う方には、七夕に恋愛祈願をしてみるのも良いと思います。
ただし、仲が良すぎて仕事を怠った織姫と彦星のように、恋愛にのめり込みすぎて他の大切な事を忘れてしまわないように注意しましょう。
七夕の食べ物と行事食、そうめんと鬼の腹わた
七夕の日の食べ物と行事食、そうめんと鬼の腹わたについてです。
七夕の行事食として有名なのは、やっぱりそうめんです。
他の五節句にも、上巳の節句ならひなあられ、端午の節句なら柏餅やちまきのように、行事に結びついた食べ物があります。そして七夕の行事食として伝えられてきたものが、そうめんなのです。
『イラストでわかるおうち歳時記』や『角川古語大辞典』の「さうめん」「さくへい」の項、日本乾麺協同組合連合会のホームページにも掲載してますよ!
七夕にはそうめん
七夕はそうめんの日です。古くからそうめんを食べるのが伝統!
どうして七夕にそうめんなのかというと、主に次のような理由があります。
- そうめんの原型とされる索餅を七夕に供えていたから
- 無病息災を願う食べ物だったから
- そうめんを織姫様の織り糸に見立てたから
- 白いそうめんを天の川に見立てたから
- 七夕の時期が小麦の収穫期と重なる地域があるから
こうして見ると、七夕のそうめんには、健康、厄払い、芸事の上達、恋愛、豊作、季節の恵みまで、いろいろな願いが込められているのがわかりますね。
七夕にそうめんの原型、索餅を食べていたから
一つは、古代中国の故事からきています。
索餅は小麦粉と米粉を混ぜて作られたもので、これがそうめんやうどんの原型とされています。
この故事が日本に伝わった際、七夕に索餅の代わりにそうめんを食べて、無病息災を祈る習慣が生まれたとされています。
ただ、いかにもありそうに中国の故事を出していますが、実際には細かい出どころがはっきりしない部分もあるようです。とはいえ、延喜式に七夕の供え物として索餅が出てくるくらいなので、七夕に索餅を食べていたことは確かだと考えてよさそうです。
一本足の鬼神…というのが事八日の一本足や一つ目に通じるものがあって、本当に面白いですよね〜。
索餅とは
索餅は中国から伝わった菓子の一種で、米粉と小麦粉を混ぜて練り合わせ、細長く伸ばして多数束ねたもので、古代の日本では「むぎなわ」とも呼ばれていました。
索餅は甘味のない唐菓子で、すでに927年の延喜式にもその名が登場しています。
これは索餅が古くから知られ、七夕の行事と結びついていた食べ物であったことを示しています。
今のそうめんのように細く白い麺というより、縄のようにねじった小麦のお菓子、というイメージですね。
そうめんが鬼の腹わたになった
そしてこの中国の話から、七夕に食べるそうめんのことを「鬼の腹わた」と呼ぶようになったんだそうです。
まあ、腹わたっぽいですよね〜…。
七夕というと、織姫様と彦星様のロマンチックな日という印象が強いです。そこに急に「鬼の腹わた」が出てくると、かなりびっくりしますよね。
でもこの言葉は、怖がらせるためというより、鬼神や疫病をしずめ、無病息災を願う食べ物としてそうめんを食べてきた名残と考えるとわかりやすいです。
鬼の腹わたを食べてしまう、つまり悪いものを封じる、厄を食べて祓う。そんなふうに受け止めると、七夕そうめんはなかなか強い行事食ですね。
七夕の時期は小麦の収穫期、小麦は毒気しだからそうめん
七夕の頃は麦の収穫期でもあり、その祝いも兼ねて無病息災を祈りそうめんを食べる習慣もあります。
半夏生でも言われていますが小麦は毒気しと考えられていて、七夕のような元々は厄払いのために行われる行事で、自身の汚れを払うために食べたとも考えられます。
小麦の収穫、夏の始まり、暑さに負けない体、厄払い。七夕そうめんには、季節の変わり目を元気に過ごすための願いも込められていたのでしょう。
七夕のそうめんは織り糸、機織りや裁縫が上手くなる
もう一つの理由は、七夕伝説の織女と関連しています。
織り糸に見立てたそうめんを食べるという習慣が、江戸時代の中期頃から庶民の間に広まったと考えられています。
織り糸に見立てた素麺を食べて、織物や裁縫が上手くなるように願ったのです。
七夕はもともと、機織りや裁縫、手先を使うこと、芸事、書道の上達を願う行事でもあります。
だから、そうめんを食べながら、
- 手芸が上手くなりますように
- 仕事の技術が上がりますように
- 勉強が進みますように
- 習い事が上達しますように
- 絵や音楽、文章が上手くなりますように
と願うのも七夕らしいですね。
七夕のそうめんは天の川
白い素麺を、流れる天の川に見立てて食べたという説もあります。
器の中で流れる白いそうめんは、たしかに夜空に流れる天の川のようです。
七夕の日にそうめんを食べるなら、星形に切ったオクラやにんじん、錦糸卵、きゅうり、みょうがなどを添えると、とても七夕らしい一皿になります。
恋愛運を願うなら、ピンク色の薬味や梅、ハムなどを添えるのもかわいいですね。
金運を願うなら、卵や黄色の具材を添えるのも良いでしょう。
無病息災を願うなら、オクラ、青じそ、しょうが、みょうがなど、夏の体に合う薬味をたっぷり使うのもおすすめです。
七夕そうめんで願いを込める食べ方
七夕そうめんは、ただ食べるだけでも行事食として楽しめます。
でも、せっかくなら願いを込めて食べるのもいいですね。
やり方は難しくありません。
- そうめんを用意します。
- 星形の具や好きな薬味を添えます。
- 食べる前に、今年の願いをひとつ心の中で唱えます。
- 無病息災、恋愛成就、芸事上達、家内安全など、自分に合う願いを込めて食べます。
「願いが必ず叶う」と断定するものではありませんが、行事食は季節の節目を大切にするためのものです。
短冊に願いを書いて、そうめんを食べて、星を見上げる。これだけでも、七夕らしい一日になります。
七夕のそうめんは恋愛にもいい?
七夕は織姫様と彦星様の恋の物語の日でもあります。
そうめんを天の川や織り糸に見立てるなら、恋の縁をつなぐ食べ物として受け止めることもできます。
恋愛の願いがある方は、そうめんを食べる前に、
- 好きな人と自然に話せますように
- また笑顔で会えますように
- 二人の縁がやさしくつながりますように
- 私に合う恋が幸せに進みますように
と願ってみてください。
ただし、七夕そうめんは相手を無理に動かすためのものではありません。あくまで、自分の願いを整えて、七夕の気分を楽しむ行事食として受け止めてくださいね。
そうめん以外の七夕の行事食
そうめん以外の七夕の行事食は、地域によって違いがあります。
よく知られているものとして、長野県松本市周辺の七夕ほうとうがあります。
長野県松本市周辺には、七夕にほうとうを食べるという風習が存在します。ほうとうは一般的には山梨県の郷土料理として知られていますが、松本市の「七夕ほうとう」はそれとは少し異なります。
こちらは、ゆでたほうとうを水にさらしてほぐし、きな粉やゴマ、小豆餡を絡めたものです。
月遅れの8月7日の七夕料理として食べられる地域もあり、七夕人形やまんじゅうと一緒に供える風習もあるそうです。
そうめんも七夕ほうとうも、小麦を使った食べ物です。七夕と小麦、七夕と麺類のつながりは、やはり面白いですね。
七夕にそうめんを食べる時の注意
七夕そうめんは、無病息災を願う行事食です。
ただし、そうめんだけで食事を済ませると、栄養が少し偏ることもあります。卵、鶏肉、ツナ、きゅうり、オクラ、トマト、薬味などを足すと、食べやすくて栄養も取りやすいです。
小さなお子さんや高齢の方がいる場合は、そうめんを長いままにせず、食べやすい長さにしてあげると安心です。
また、小麦アレルギーがある方は無理に食べないでください。七夕の行事食は、そうめんでなければいけないというものではありません。米粉麺や春雨、七夕風のちらし寿司など、自分の体に合う形にして大丈夫です。
七夕にすることは、そうめんを食べて願いを込める
七夕にすることはいろいろあります。
短冊に願い事を書く、笹飾りを作る、星を眺める、七夕祭りへ行く、恋愛祈願をする、遠くの人を思う。
そして、そうめんを食べる。
そうめんは、七夕の行事食です。索餅から続く古い食べ物であり、無病息災を願う食べ物であり、織姫様の織り糸や天の川に見立てられる食べ物でもあります。
「鬼の腹わた」という少し怖い呼び方もありますが、それも厄払いや無病息災の意味を考えると、七夕らしい強い言い伝えです。
七夕の日にそうめんを食べる時は、今年の願いをひとつだけ思い浮かべてみてください。
健康でも、恋愛でも、仕事でも、家族のことでも大丈夫です。
皆様の七夕の願いが、天の川の向こうまで届きますように。


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