夏至が過ぎると、大祓と半夏生がやってきます。夏本番が始まる前に、半年間の厄を払って体力をつけ、今年の後半も良い運気で過ごしたいものです。
6月30日は夏越の大祓の日
6月30日は大祓の日です。各地の神社で茅の輪(ちのわ)くぐりを行っています。半年間で気づかないうちに貯まった罪や汚れを払い落とし、無病息災を祈願しましょう。「夏越の祓」、「名越の祓」(なごしのはらえ)とも呼ばれ、12月に行われるものは「年越の祓」と呼ばれています。
夏越の大祓えとは
大祓えの歴史は古く、もっとも古い神道儀礼の一つと言われています。
大祓神事で唱えられる大祓詞は平安時代の法律書 「延喜式」(927年)には記載されていています。
人が生きる上で知らず知らずのうちに犯した罪や穢れを取り除き、災厄を避け心身を清らかにすることを目的とした神事です。
水無月のなごしの祓する人はちとせの命のぶというふなり
拾遺和歌集の「よみ人知らず」に「水無月のなごしの祓する人はちとせの命のぶというふなり」という歌があります。この「夏越の祓」、梅雨時の細菌の繁殖を防ぎ、感染症の蔓延させないという目的もあったそうです。食中毒なども命取りになる時代、夏本番を前に払ってしまいたい穢れだったんですね。
現代でも食中毒は侮れない病気です。夏本番前に、お家をきれいにして、冷蔵庫もチェックし食中毒や夏風邪など防ぎたいですね。
ちなみに京都ではこの時期に小豆をのせたういろうを食べる習慣があるそうです。
茅の輪(ちのわ)くぐりの作法
夏越の祓では多くの神社で「茅の輪くぐり(ちのわくぐり)」を行っています。茅で編んだ直径数 メートルほどの輪を建て、神主様を先頭に正面から最初に左回り、次に右回りと 8 字を描いて計3回くぐり、半年間に溜まった病と穢れを落とし残りの半年を無事に過ごせることを願います。くぐる時に上で紹介した歌を唱えながらくぐるのがお作法です。その前にお手水で口をすすぎ手を洗いましょう。
- 「水無月の夏越の祓する人は 千歳の命延ぶといふなり」の神歌を唱え、
茅の輪をくぐり、右に廻ります。 - 次に「思ふことみなつきねとて麻の葉を 切りに切りても祓ひつるかな」の
神歌を唱え、茅の輪をくぐり、左に廻ります。 - 最後に「宮川の清き流れに禊せば 祈れることの叶はぬはなし」の神歌を唱え、
茅の輪をくぐりします。
くぐり終わったら、神殿へお参りに行く神社が多いです。
この「茅の輪くぐり(ちのわくぐり)」は『備後国風土記』に蘇民将来の伝説に由来するものと言われています。武塔神に言われて茅の輪を腰につけたところ災厄から免れ、武塔神は自らを速須佐雄(素盞鳴尊)と名乗り去っていったと書かれています。速須佐雄がスサノオとなっているところが多いみたいですね!
ちなみにこの茅の輪くぐりの茅を、お守りとして抜き取って持ち帰る方がいますが、茅の輪にはくぐった人の穢れが溜まっていますので、やらないほうがいいです。
茅の輪くぐりに参加できなかった方は、人形代で参加することもできますので、お近くの神社に問い合わせてみてくださいね!
どうして茅の輪を潜るのか?
出雲神話(備後国風土記)に伝えられてる素盞鳴尊(スサノオノミコト)の話が元となっています。
ヤマタノオロチを倒した素盞鳴尊(スサノオノミコト)が、旅をしている途中、 蘇民将来( ソミンショウライ )、巨旦将来 ( コタンショウライ ) という兄弟に宿を求めたところ、弟の巨旦将来は裕福であったにも関わらず宿泊を拒んだのに対し、兄の蘇民将来は貧しいながらも喜んで厚くもてなしました。その数年後、再び蘇民将来のもとを訪ねた素盞鳴尊は「もし悪い病気 が流行ることがあったら、茅で輪を作り腰につければ病気にかからない」と教えました。そして疫病が流行したときに巨旦将来の家族は病に倒れましたが、蘇民将来の家族は茅の輪で助かったのです。
この言い伝えから「蘇民将来」と書いた紙を門に貼るというおまじないが生まれました。茅の輪も当初は伝説のとおり小さなものを腰に付けるというものでしたが、江戸時代初期に大きな茅の輪をくぐって罪や災いと取り除くという現代の茅の輪潜りができたと言われています。
蘇民将来の札を家の前に貼っておくと、病魔や不幸が退散するというおまじない
- 「蘇民将来子孫」
- 「蘇民将来之子孫也」
- 「蘇民将来子孫家門」
のいずれかの文字を家の前に張り出しておけば、その家人に災いが降りかからないと言われています。
夏越の払えは夏越ご飯!
夏越の大祓えに食べるべきものは、やはり「夏越ご飯」でしょう。
「夏越ご飯」の基本は「茅の輪くぐりを模して、夏野菜をかき揚げにしたものを上に乗せた雑穀ご飯におろしだれをかけたもの」となっています。
夏越の大祓えの時期になると、神社の近辺のお食事どころで見かけるようになります。
非常におしゃれな彩色と盛り付けのものが多く、SNS映えします。
夏至から11日が過ぎると半夏生
また、夏至から11日が過ぎると半夏生になります。
2021年は7月2日です。
半夏生は昔から「天から毒が降る 地から毒が涌く」と言われ、この日には井戸に蓋をしたり、この日に汲んだ水を妊婦に飲ませないようにしたり、野菜も半夏生の日に取ったものは食べないようにしていたそうです。物忌み(ものいみ)の日だったんですね。
「物忌み」は特定の期間に神事などを行うために、ある期間汚れを避けること…。ちょうど暑くなる前に行うのは非常に理にかなっていたのでしょう。
この日に土地神様、荒神様をお祭りする地方も多いです。ご近所の夏祭りなども参加してみると楽しそうですね!
田植えも夏至から半夏生前までに終わらせ、半夏生から5日間は休む風習がある地域もあるそうです。
三重県ではハンゲという妖怪がウロウロするから夜は外に出てはいけないとか、埼玉県では竹の花を見ると死ぬので竹林に入ってはいけないという言い伝えがあったりして、非常に面白いです。
ドクダミ科の白い花、ハンゲショウ
この半夏生に由来した、白いお花ハンゲショウ。漢字では半夏生もしくは半化粧と書きます。「半夏生」の頃に花をつけ葉が白くなることから「ハンゲショウ」となったと言われています。葉の部分が途中まで白くなる、非常に優雅な形と色合いのお花です。他にもこの白くなる部分が「白粉(おしろい)」で化粧しているようだからという説もあります。花はドクダミの匂いがします。
この植物には毒性はないと言われていますが(むしろ漢方では利尿作用があるとされている)、毒があると流布されているのはこの物忌みの半夏生にちなんだのか、とても面白い植物です。
半夏生にたこを食べると開運
そんな一見、不吉そうな半夏生ですが、この日にはたこを食べると開運すると言われています。
もともとは関西の風習ですが、たこの足のように大地に根をはって、豊作をいのる意味があるそうです。
また、うどん県、香川ではうどんを食べます。うどんは「ん」がつく食べ物です。「ん」は運気の「ん」。おうどん、おいしいですよね!
おいしいうどんで、運気アップなんて、香川の方は本当にいい風習をお持ちです。
7月2日は「うどんの日」でもあります。1980年に香川県生麺事業協同組合が制定したそうです。
この他にも、長野県では芋汁、福井県の地方では焼き鯖など、様々な風習があるそうです。
7月2日はたこやうどんを食べて、しっかり開運!していきたいですね!
コメント 成功の口コミや疑問…読んでね!
蘇民将来を書いたものは玄関に貼ればいいですか?
試してみたいと思ってます。
玄関に貼ればOKです!
願いが叶いますように!
クズは俗信に頼る。賢者は信心を全うする。
おまじないを俗信と考える方は絶対におまじないをされないほいうがいいですよ。
ご自身が信じられている神様をしっかりと信じましょう。
願いが叶いますように!
とりあえず無事行って来れました。お札と茅の輪もらったんですがこれはどこに飾ればいいんでしょうか?
無事に行けたんですね!良かったですね!私は今年は行けず、大変残念でした…。
茅の輪は玄関に吊り下げるといい、と聞いたことがあります。
お札は私は神棚に飾っていましたが、友人は飾り棚の一部に飾っているそうです。
参拝した神社によって、多少違いがあることがありますので、もし気になるならそちらに聞かれるのもいいですよ。
願いが叶いますように!
明日大祓式に参加しようと思ってます。どのぐらいかかるんですかね?時間的に…
うーん、私が参加したものは1時間ほどだったと思うのですが、なにぶん近所の神社で、人数も少ないですから…。
大きいところになると結構かかるみたいです。
願いが叶いますように!