暦やカレンダーを見ていると、「一白水星」「三碧木星」「九紫火星」などと書かれていることがあります。
これは一白水星の人、三碧木星の人という意味ではありません。暦に書かれている九星は、その年、その月、その日などを巡る九つの星を表しています。
九星には、一白水星から九紫火星までそれぞれ異なる象意があり、方位、五行、八卦とも深く結びついています。現在は九星気学の占いでよく知られていますが、九星そのものの歴史はもっと古く、そのルーツは中国の九宮や陰陽五行などの思想にあります。
ここでは、暦に出てくる九星とは何なのか、一白水星から九紫火星までの意味、九星気学との違いや由来についてご紹介します。
暦の九星とは?その日の気や象意を見る九つの星
九星には、一白水星、二黒土星、三碧木星、四緑木星、五黄土星、六白金星、七赤金星、八白土星、九紫火星の九つがあります。
九星は年だけではなく、月、日、時刻にも巡ります。生まれた年から本命星を調べて性格や運勢を見る方法がよく知られていますが、暦に「今日の九星」として掲載されているものは、基本的にその日の九星である日家九星です。
そのため「今日は三碧木星だから三碧木星生まれの人だけに関係がある」というものではありません。その日に巡る九星の象意から、どのようなテーマを意識しやすい日なのかを見ることができます。
一白水星から九紫火星までの意味一覧
| 九星 | 五行 | 方位 | 主な意味・象意 |
|---|---|---|---|
| 一白水星 | 水 | 北 | 秘密、恋愛、交流、移動、柔軟性、深い縁、悩み |
| 二黒土星 | 土 | 南西 | 家庭、母、育成、勤勉、準備、裏方、積み重ね |
| 三碧木星 | 木 | 東 | 始まり、行動、発展、音、声、知らせ、連絡 |
| 四緑木星 | 木 | 東南 | 縁、信用、交渉、結婚、遠方、旅行、通信、口コミ |
| 五黄土星 | 土 | 中央 | 中心、強い力、極端な変化、破壊、再生、支配 |
| 六白金星 | 金 | 北西 | 仕事、権威、上司、父、勝負、出世、神仏 |
| 七赤金星 | 金 | 西 | 金運、商売、恋愛、会話、飲食、娯楽、喜び |
| 八白土星 | 土 | 北東 | 変化、停止、転換、家族、相続、不動産、境界 |
| 九紫火星 | 火 | 南 | 人気、美、知性、直感、名誉、発見、別離、表面化 |
ここでいう「水星」「木星」「金星」は、西洋占星術で使われる水星Mercury、木星Jupiter、金星Venusという天体のことではありません。
一白水星なら五行の「水」、三碧木星・四緑木星なら「木」、六白金星・七赤金星なら「金」の性質を持つ星という意味です。
九星の由来は中国の「九宮」
九星のルーツをたどると、中国で発達した九宮という考え方に行き着きます。
九宮では空間を九つに分け、1から9までの数字を配置します。代表的なのが「4・9・2/3・5・7/8・1・6」という並びです。
中央には5が置かれ、1は北、2は南西、3は東、4は東南、5は中央、6は北西、7は西、8は北東、9は南に対応します。
九星という名前から、最初から空にある九つの星を占っていたように思えますが、そうではありません。数と方位を九つの宮に配し、そこへ時間や自然界の象意を重ねていく中国の術数思想が九星の土台になっています。
九星と洛書の関係とは?神亀の伝説
九星の由来を調べると「洛書」という言葉もよく出てきます。
中国には、夏王朝の禹が洪水を治めていた時、洛水から神亀が現れ、その甲羅に不思議な模様があったという伝説があります。その模様から洛書が生まれ、九宮の数の配置につながったと伝えられています。
ただし、これは中国に伝わる伝説として考えた方がいいでしょう。神亀の甲羅から現在知られている九宮図が発見されたことが歴史的事実として確認されているわけではありません。
九星の由来は、「伝説では洛書に結びつけられ、歴史的には中国の九宮を中心とする術数思想の中で発達してきた」と考えると分かりやすいです。
九星の意味は八卦・五行・方位から生まれている
九星が面白いのは、一白水星から九紫火星までの意味が単独で存在しているわけではないところです。
九宮には八卦、五行、方位などが対応しており、それぞれの象意が重なることで現在の九星の意味が作られています。
たとえば三碧木星は東、木、八卦では「震」に対応します。震は雷を表し、雷は突然鳴って物事を動かします。そのため三碧木星には「始まり」「動く」「声や音」「知らせ」「連絡」といった意味があります。
四緑木星は東南、木、「巽」に対応します。巽は風。風は遠くまで流れ、人と人との間を行き来することから、「縁」「交渉」「信用」「結婚」「遠方」「通信」「口コミ」などの意味につながります。
八白土星は北東、土、「艮」に対応します。艮は山を象徴し、「止まる」「境になる」という意味を持ちます。そこから停止、変化、転換、家族、相続、不動産、境界といった象意が生まれます。
九星の意味を深く知りたい時は、五行だけではなく九宮・八卦・方位まで一緒に見ると、その星がなぜその意味を持つのかが分かってきます。
暦の九星は年・月・日・時刻を巡る
九星には定位置がありますが、暦ではその場所に固定されたままではなく、年月日時に応じて九宮を巡ります。
そのため年家九星、月家九星、日家九星などがあり、毎日の暦に載っている九星は主に日家九星です。
ただし、「五黄土星の日だから凶日」「七赤金星の日だから必ず金運がいい」という単純な吉凶ではありません。
暦の九星を見る時は、その日に巡る星が持つ象意から、その日に意識しやすいテーマや相性のよい行動を考える方法があります。
三碧木星なら連絡やスタート、四緑木星なら縁結びや交渉、七赤金星なら金運や商売、八白土星なら変化や関係の切り替えなど、それぞれ得意とするテーマが違います。
九星と九星気学の違いとは?園田真次郎以前から九星はあった
現在は「九星=九星気学」と思われることも多いですが、九星そのものは近代の九星気学よりずっと古くから使われていました。
中国から伝わった九星や方位の思想は日本でも暦や方位判断に使われ、江戸時代には九星を用いた方鑑術が発達しています。
江戸後期の松浦琴鶴の『方鑑図解 三元秘用』にも、年の九星や月の九星を扱った記述が確認できます。
その後、大正期になると園田真次郎が、それまで存在していた九星術や方位術などを整理し、近代の「気学」として体系化していきました。
そのため、園田真次郎は九星そのものをゼロから作った人物というより、古くから存在した九星や方位術をもとに、現在につながる気学の体系を整えた人物と考えるとよいでしょう。
今日の九星から恋愛・復縁・金運・縁切りのおまじないを選ぶ
暦の九星は、おまじないをする日を選ぶ時にも面白い見方ができます。
たとえば三碧木星の「知らせ・連絡」という象意から連絡が来る願い、四緑木星の「縁」から恋愛や復縁、七赤金星の「金・喜び」から金運、八白土星の「停止・境界・転換」から縁切り、といったように、九星の象意と願いの内容を重ねて考える方法です。
これは「昔から三碧の日には必ず連絡のおまじないをした」という意味ではありません。九星が持つ伝統的な象意から、その願いと相性のよい日を考えるものです。
恋愛や復縁の願いなら復縁のおまじない、好きな人や元彼からの連絡を願うならLINE・メール・電話で連絡が来るおまじない、お金や仕事の願いなら金運・仕事運アップのおまじない、離れたい相手や終わらせたい関係があるなら縁切り・別れのおまじないも参考にしてください。
何気なく暦に書かれている一白水星から九紫火星までの九星ですが、その背景には九宮、八卦、陰陽五行、方位、時間という長い歴史があります。
今日が何の九星なのかだけでなく、その九星が何を象徴しているのかを知ると、暦の見方はもっと面白くなります。


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