節分の玄関先で見かける柊鰯(ひいらぎいわし)は、昔ながらの厄除け(やくよけ)の縁起物。焼いた鰯の頭と柊の棘(とげ)で、邪気や鬼を遠ざけると伝えられてきました。ここでは柊鰯の作り方から、どこに飾るのがよいか、いつから飾るのか、いつまで飾るのか、そして無理のない処分方法まで、丁寧にまとめます。
- 柊鰯の作り方
- 柊鰯とは?由来と意味
- 節分に鰯を食べる意味
- 柊鰯を飾る地域
- 柊鰯はいつからいつまで飾る?
- 柊鰯の処分方法|気持ちよく手放す
- よくある疑問|「柊はどこに飾る?」「節分いわしはいつまで飾る?」
- よくある疑問|処分・飾る場所のNG例・マンション玄関の工夫
- Q. 柊鰯はどこに飾るのが基本?玄関の外ってどのあたり?
- Q. 柊はどこに飾る?柊鰯を飾る向きに決まりはある?
- Q. 飾る場所のNG例はある?
- Q. マンション玄関でも「外に飾る」べき?規約が心配…
- Q. マンション玄関の工夫は?室内ならどこがいい?
- Q. 鰯の頭が用意できない/置くのが難しい場合、どうしたらいい?
- Q. 節分の鰯の頭はいつまで飾る?柊鰯はいつまでが目安?
- Q. 節分の柊はいつまで飾る?柊だけ残してもいい?
- Q. 処分がいちばん悩む…柊鰯の処分方法で現実的なのは?
- Q. 匂いが心配。処分までの保管はどうすればいい?
- Q. 神社でお焚き上げはできる?できないときは?
- Q. 子どもやペットがいる家の注意点は?
- Q. そもそも柊鰯の読み方は?「やいかがし」って何?
- 節分と立春についての記事
柊鰯の作り方
柊鰯は、節分の日に門口や玄関先へ飾って鬼を追い払うとされるお守りです。本来は本物の鰯の頭を使うため、当日の朝に作ってさっと飾れる流れだと気持ちも整いやすいですよ。
柊鰯の材料と必要なもの
- 鰯の頭:1つ(地域や家の習わしで複数でも可)
- 柊の葉の付いた枝:1本(20cm程度が扱いやすい)
- 軍手(棘対策。ゴム手袋でも可ですが、滑る場合は軍手が安心)
- ハサミ(鰯の頭を落とせる程度。包丁でも可)
- コンロ(魚を焼きます)
柊鰯の作り方(基本の手順)
- 鰯の頭を切り離し、頭をこんがり焼きます。丸ごと一匹焼いた鰯から頭を落としてもOKです(身は食べられます)。
- 柊の枝に鰯の頭を刺します。柊には棘がありますので、軍手をして慎重に。
- 出来上がった柊鰯を玄関先(外)に飾ります。
出来上がりはこんな感じです。

柊鰯の飾り方|どこに飾るのがいい?
柊鰯は「家に入ってくるものを防ぐ」発想の厄除けなので、家の中ではなく外側に飾るのが基本です。最も一般的なのは玄関先。門がある家なら、門扉の柱や門口に飾る地域もあります。
飾り方に厳密な決まりはありません。柊の枝の部分をテープで固定したり、紐で結びつけたりして、落下しないようにしましょう。雨に濡れる場所なら、柊がしんなりしやすいので、軒下など「風は通るけれど雨は当たりにくい場所」を選ぶと持ちがよくなります。
カラス・猫が心配なときの工夫
本物の鰯の頭は匂いが出る分、カラスや猫に狙われることがあります。無理をせず、次のような工夫で「厄除けの気持ち」を守ってください。
- 高い位置に飾る(手が届きにくい場所へ)
- 短時間だけ飾る(節分の当日だけ、夕方までなど)
- 鰯の頭をしっかり焼く(生臭さが落ち着き、扱いやすい)
- どうしても難しい場合は「代替の柊鰯」にする(次の章で紹介)
柊鰯を折り紙やクラフトで作る(無理をしない厄除け)
現代の暮らしでは、衛生面や害獣被害の心配もあります。「本物は厳しい」と感じたら、折り紙やクラフトで作って飾っても大丈夫。大切なのは季節の節目に、家の境界を整えるという意識です。
- 折り紙で鰯(または魚)を作り、柊の枝(造花でもOK)と合わせる
- 柊が手に入らない場合は、柊の葉をモチーフにした紙やフェルトで代用する
- 玄関の外が難しければ、玄関ドアの内側に「飾り札」として小さく設置する(家族の安全優先で)
柊鰯とは?由来と意味
節分になぜ、鰯の頭を柊に刺して飾るのでしょう。少し不思議に見える風習ですが、そこには「鬼(=目に見えない災い)を近づけない」ための、わかりやすい理屈が重なっています。
柊鰯の読み方
柊鰯の読み方は「ひいらぎいわし」です。
柊鰯の意味|節分の魔除け・厄除け
柊鰯は節分に魔除けとして飾られます。柊の小枝に焼いた鰯の頭を刺し、門口や玄関先に置くことで、鬼が家に入れないようにする――そんな意味合いです。節分の豆と一緒で邪気払いの考え方なんですね。
- 柊の葉の棘が鬼の目を刺すので、門口から鬼が入れない
- 鰯を焼く臭気と煙で、鬼が近寄らない
地域によっては「鰯の匂いで鬼を誘い、柊の棘で目を刺す」という語り方が残ることもあります。少し物騒に聞こえるかもしれませんが、裏側にあるのは家族が一年健やかであるようにという祈りです。
柊鰯の由来|柊と魚の頭の“飾り”がつながっていった
柊鰯について語られるとき、よく引かれるのが平安時代の記録です。ただし「節分の厄除けとして、鰯の頭を柊に刺す形」が古くから確定していた、というよりも、柊の枝や魚の頭を門口の飾りに用いる発想が先にあり、のちに節分の風習として整っていったと考えるほうが自然です。
紀貫之の土佐日記の中に正月の門口に飾った注連縄(しめなわ)に、柊の枝と「なよし」(ボラ)の頭を刺していた「飾り物」が記されています。これが「柊鰯」になったと言われています。現在でも、伊勢神宮で正月に売っている注連縄には柊の小枝が挿してあります。
この「いつから鰯になったのか」については、同志社女子大学の吉海直人氏(日本語日本文学科 教授)が下記のように述べています。
ここにある「なよし」というのは、出世魚である鯔(ぼら)のやや小さめの時の名称です。いずれにしても『土佐日記』に鰯は登場していないことがわかりました。もちろんこれは元日の記事ですから「柊」が元日に用いられた最も古い例であることに間違いはありません。ひょっとするとその頃は、「鰯」に限らず魚ならなんでも良かったのかもしれません。
もう一例、鎌倉時代成立の『夫木和歌抄』という歌集に藤原為家が詠んだ、
世の中は数ならずともひひらぎの色に出でてもいはじとぞ思ふ
に、「柊」と「鰯」が一緒に詠み込まれているとされているのですが、たとえ「言はじ」に「鰯」が掛けられているとしても、節分との関連が認められそうもないので、この歌を証拠にして歴史を遡らせるのは危険です。
今のところ、江戸時代以前に「柊」と「鰯の頭」が鬼除けとして用いられた確かな資料は見つかっていません。ただし「柊」だけなら、『古事記』のヤマトタケルの東征に柊の木で作った八尋の矛(ほこ)が出ています。要するに「柊」は古くからありましたが、「鰯の頭」が登場するのは江戸時代以降なので、両者がセットで用いられるのも江戸時代以降ということになりそうなのです。
江戸時代にはこの風習が広く知られていたことが、浮世絵や黄表紙などにも描かれているとされます。想像してみると、季節の節目に家々の門口が整えられていく光景は、どこか気持ちが引き締まりますね。
柊鰯の別名
柊鰯は、やいかがし(焼嗅)、やっかがし、やいくさし、やきさし、とも呼ばれています。
節分に鰯を食べる意味
柊鰯は鰯の頭を飾るので、身の部分は節分の行事食として食べる地域もあります。特に西日本の一部では、柊鰯を飾ったあと、その日のうちに鰯を食べる風習が残っていることも。
食べ方は、塩焼き、煮付け、つみれなどさまざま。身体を温める料理にすると、季節の切り替わりの時期にぴったりです。
なお「鰯」という名前の由来は諸説あり、「弱りやすい魚」から来たという説明もよく語られます。言葉の由来にはいろいろな説があるので、ここは“陰の気を払う食”として鰯が親しまれてきた、という受け取り方をすると、今の暮らしにも馴染ませやすいでしょう。
柊鰯を飾る地域
柊鰯は全国どこでも同じように行われる風習というより、地域差がある節分の厄除けです。関西を中心に知られていますが、関東や東海、東北の一部でも伝承が残る場所があります。一方で、地域や家庭によっては「見たことがない」という人もいます。
- 【東北】青森、福島
- 【東海】岐阜、愛知、静岡
- 【関東】東京、埼玉、千葉、栃木、群馬
- 【関西】京都、大阪、奈良(特に色濃く残る地域がある)
- 【中国地方】岡山、広島
また、東京近郊では柊と鰯の頭に加えて、豆柄(まめがら:種子を取り去った大豆の枝)を合わせて飾る、という話も伝わります。地域のやり方に触れると、「厄除け」は案外、暮らしの知恵の集合体なのだと気づかされます。
柊鰯はいつからいつまで飾る?
いちばん迷いやすいのが、柊鰯をいつから飾るか、そしていつまで飾るか。ここは本当に家庭差・地域差が大きいところです。「こうしないとダメ」というより、無理なく気持ちよく続けられる形が正解になりやすい分野だと思ってください。
いつから飾る?(節分柊はいつから飾るのがいい?)
- 小正月の翌日(1月16日)から節分まで
- 節分の当日、朝に作って飾る
- 節分の前日までに準備しておき、当日に“整える”
伝統的には「節分当日に飾る」家が多い印象ですが、仕事や家事で慌ただしいなら、前日までに道具を揃えておいて、当日は焼いて刺して飾るだけにするとスムーズです。
いつまで飾る?(節分の鰯の頭はいつまで?節分の柊はいつまで飾る?)
- 節分の日のみ(その日のうちに片付ける)
- 節分の日から2月いっぱい
- 節分の日から一年間
- 「自然に朽ちるまで」「猫に食べられるまで」など、地域の言い伝えに沿う
衛生面が気になる現代では、節分の当日だけ、または立春まで(節分の翌日まで)にする家庭も増えています。大切なのは「節目の厄を落として、春を迎える」という区切り。短期間でも、気持ちがすっと整うなら十分に意味があります。
補足:2026年・2027年の節分と立春(いつ飾るか決める目安)
節分は「立春の前日」。国立天文台の暦要項では、2026年の立春は2月4日なので、節分は2月3日(火)。同様に、2027年の立春も2月4日で、節分は2月3日(水)です。予定を立てるなら、この2日を中心に準備すると迷いません。
柊鰯の処分方法|気持ちよく手放す
柊鰯は縁起物なので、一般のゴミとして出すのが気になる人も多いですよね。最近はお焚き上げを受け付けない神社もあるため、まずは「無理なく、衛生的に、気持ちが整う方法」を選びましょう。
- 神社で焚き上げてもらう(対応可否を事前に確認)
- 玄関先に埋める(動物対策・衛生面に配慮)
- 灰になるまで焼いて、玄関先に少量を撒く(火の扱いに注意)
- 塩で清めてから半紙に包んで捨てる(現代の暮らしで選びやすい)
神社でお焚き上げをする場合は、お近くの神社のどんと祭へ持参する方法もあります。ただ、どんと焼きや左義長は近年、煙や匂いの出るものを燃やさない地域も増えています。鰯の頭は匂いが強いので、断られることもあります。事前に確認し、難しければ塩と半紙の方法が安心です。
よくある疑問|「柊はどこに飾る?」「節分いわしはいつまで飾る?」
柊はどこに飾るのが正解?
基本は玄関先(外側)です。門がある家は門口でもOK。外が難しい場合は、家の安全や衛生を優先し、玄関ドア付近の内側に小さく“お守り飾り”として設置しても構いません。
柊鰯はいつまで飾るのがいい?
伝統的には地域差があり、「節分当日だけ」「立春まで」「2月いっぱい」「一年間」など様々です。現代的には、匂いや衛生の面から節分当日〜立春までを目安にすると無理がありません。
節分の鰯の頭はいつまで取っておく?
「お焚き上げに持っていきたい」場合は、次のどんと焼き(地域により時期は様々)まで保管する選択肢もありますが、衛生的に難しいことも。無理があるなら、塩で清めて半紙に包んで処分するほうが、気持ちよく区切りをつけられます。
節分の柊はいつまで飾る?
柊の枝は乾燥していきます。棘のある葉が落ちたり、見た目が気になるなら、節分〜立春のタイミングで下げて、感謝して手放すとすっきりします。
よくある疑問|処分・飾る場所のNG例・マンション玄関の工夫
Q. 柊鰯はどこに飾るのが基本?玄関の外ってどのあたり?
A. 基本は玄関の外側(家の境界)です。戸建てなら門口や玄関ポーチ、マンションなら玄関ドアの外側に近い位置が「本来の考え方」に合います。ただし共同住宅は共有部の規約があるため、無理に外へ出さず、次のQ&Aの工夫を選ぶほうが気持ちよく続きます。
Q. 柊はどこに飾る?柊鰯を飾る向きに決まりはある?
A. 柊は玄関口の“外”が基本で、向きに厳密な決まりはありません。大事なのは「出入り口を整える」こと。刺した鰯の頭が落ちないよう固定し、棘が人の目線や手に当たりやすい高さは避けましょう。
Q. 飾る場所のNG例はある?
A. 「縁起」よりもまず安全と衛生を優先して、次は避けるのが無難です。
- 人が必ず触れる場所:ドアノブ付近、インターホン、郵便受けの前
- 落下しやすい場所:強風が当たる外壁、テープが剥がれやすい凹凸面
- 共有部の通行を邪魔する位置:マンションの共用廊下、避難経路上
- 食べ物や調理器具の近く:キッチン周辺(匂い・衛生面が気になるため)
- 寝室や子ども部屋:棘が刺さるリスク、においの問題が出やすい
Q. マンション玄関でも「外に飾る」べき?規約が心配…
A. マンションの玄関ドア外側は共有部扱いのことが多く、掲示物・装飾が禁止されている場合があります。規約や管理方針に触れそうなら、外に飾らない判断が賢明です。厄除けは「形」より「節目に整える意識」が核なので、室内の玄関で十分に代替できます。
Q. マンション玄関の工夫は?室内ならどこがいい?
A. 室内に飾るなら、玄関ドアの内側付近で、次のように「小さく・清潔に」がコツです。
- 下駄箱の上に小さく置く(倒れない器や立てかけを工夫)
- ドアの内側の上部に軽く固定する(落下しない方法で)
- 紙やクラフト版にする(匂い問題をゼロにできる)
本物を使う場合は匂いが出やすいので、室内なら「節分の数時間だけ飾って、立春前に下げる」など短時間運用が安心です。
Q. 鰯の頭が用意できない/置くのが難しい場合、どうしたらいい?
A. 無理をしないのが一番です。柊だけを飾ったり、柊の葉モチーフの飾り札にしたり、折り紙の魚を合わせる形でも「節分の厄除け」の気持ちは整います。暮らしに合わない形で続けるとストレスになるので、あなたの家にとって一番穏やかな方法を選んでください。
Q. 節分の鰯の頭はいつまで飾る?柊鰯はいつまでが目安?
A. 地域差が大きいですが、現代の暮らしでは節分当日だけ、または立春までが扱いやすい目安です。戸外で飾るなら「カラスに持っていかれる」「猫に食べられる」なども起こりやすいので、無理に長くせず、節目として短く区切るほうが気持ちよく終えられます。
Q. 節分の柊はいつまで飾る?柊だけ残してもいい?
A. 鰯の頭は衛生的に短期間が安心ですが、柊は乾燥していくので、問題がなければ立春〜2月中くらいまで飾る家もあります。「鰯は下げて、柊だけしばらく残す」方法は、匂いの負担が減り、マンションでも取り入れやすい折衷案です。
Q. 処分がいちばん悩む…柊鰯の処分方法で現実的なのは?
A. いちばん現実的で気持ちが整いやすいのは、塩で清めて半紙に包んで捨てる方法です。やり方はシンプルで、匂い対策もしやすいのが利点です。
- 鰯の頭と柊を外す
- ひとつまみの塩を振り、感謝の気持ちで一礼する
- 半紙(なければ白い紙)で包み、さらにビニール袋で密閉する
- 可燃ごみとして出す(自治体ルールに従う)
Q. 匂いが心配。処分までの保管はどうすればいい?
A. すぐ捨てられないときは、匂いが広がらないように密閉がポイントです。
- 半紙で包んだら、二重袋にしてしっかり口を結ぶ
- 可能なら、回収日まで屋外の密閉容器やベランダのボックスへ
- 室内で一時保管するなら、匂い移りが少ない場所へ(食品の近くは避ける)
Q. 神社でお焚き上げはできる?できないときは?
A. 神社によって受け付けが異なります。匂いが強いものや生ものが混ざるものは難しい場合もあるので、持ち込む前に確認できると安心です。受け付けが難しい場合は、無理にこだわらず、塩と半紙で清めて処分で十分に区切りがつきます。
Q. 子どもやペットがいる家の注意点は?
A. 柊の棘は意外と鋭く、触れると危険です。小さなお子さんやペットがいる家庭は、手が届かない高さにするか、最初からクラフト版にするのが安心です。安全にできたときにこそ、節分の厄除けは気持ちよく働きます。
Q. そもそも柊鰯の読み方は?「やいかがし」って何?
A. 読み方はひいらぎいわしです。別名でやいかがし(焼嗅)などとも呼ばれ、焼いた魚の匂いによる魔除けの発想が名前にも残っています。呼び名がいくつもあるのは、それだけ各地の暮らしの中で形を変えながら続いてきた証でもあります。



コメント 成功の口コミや疑問…読んでね!