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初卯の日2024年1月4日卯杖と卯槌と亀戸天神

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初卯の日

初卯は「はつう」と読みます。これはその年始まって最初の卯の日のこと。
この初卯の初卯詣や卯にまつわる神社をご紹介します。
令和6(2024)年の「初卯」は1月4日ですね。

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初卯とはその年の最初の卯の日

初卯とはその年始まって最初の卯の日のことです。

卯の日とは干支である十二支のうちの卯が当たっている日のこと

卯の日は、干支(えと)である十二支のうちの卯が12日ごとに巡ってくる吉日です。
卯は4番目となります。

干支と十二支

十二支とは紀元前の中国で、使われ始めた暦や時間を表すものです。
子(ね)、丑(うし)、寅(とら)、卯(う)、辰(たつ)、巳(み)、午(うま)、未(ひつじ)、申(さる)、酉(とり)、戌(いぬ)、亥(い)の12種類の動物によって構成されています。
昔の中国では年を数える時に使われていたのが木星の動きで、人々は木星の位置で年を数えていました。そして木星の公転周期が12年であるために天を12等分し他のです。これが十二支の起源となります。子から亥の12個の漢字は、中国で数を表していたんだそうですよ〜。
この十二支を王充(おういつ)という人物が動物の名前に変更し、現在の干支となったのです。

初卯詣

「初卯詣」という言葉を聞いたことがない人も多いと思います。
これは「はつうもうで」と読み、「初詣(はつもうで)」とはちょっと違います。
「初詣(はつもうで)」は、「その年最初に参詣すること」ですが、「初卯詣(はつうもうで)」は「新年最初の『卯(う)』の日に参詣すること」を言います。

うさぎを神獣としてまつっている神社は全国にいくつかあります。うさぎの繁殖力の強さにあやかって、子宝祈願や安産祈願で人気ですよ〜。

関東・東京の亀戸天神の妙義社に初卯詣

関東というか東京の初卯詣先として有名なのは亀戸天神になるでしょう。
ここには「御嶽(みたけ)神社」という神社があり、初卯詣の時はここにお参りします。
「御嶽(みたけ)神社」のご祭神は比叡山延暦寺第13代座主 法性棒専意僧正で、御社殿は寛文9年(1669)11月21日に九州大宰府御嶽山より勧請し建立されたそうです。
昔は亀戸妙義社と呼ばれており、江戸後期ではここに初卯詣にくることを「妙義詣(みょうぎもうで)」とも呼んで大変な人気でした。

亀戸天神社|公式ホームページ

亀戸天神は菅原道真公が御祭神

亀戸天神は菅原道真公をお祀りしています。菅原道真公といえば梅、この亀戸天神も梅が美しい神社で、この初卯の時はまだ全く咲いておりませんが、二の卯、三の卯の日と12日ごとに日を追って開いていく梅を楽しむことができます。境内には300本を越す梅が植えられていて、例年2月第2日曜日から3月第2日曜日に毎年梅祭りを行なっています。

亀戸妙義社(御嶽神社)は菅原道真公の師匠を祀っている

最近では御嶽神社を妙義社と呼ぶことは少なくなりました。
法性坊は、道真公の教学や御祈の師で天慶3年(930)2月の卯日の卯の刻に亡くなられたそうです。そのことから卯の神様として卯日、特に初卯の日は「卯槌」「卯の神札」といった授与品を配り、福徳、才智、愛敬を願、除病、延命を祈りました。

卯年の卯は東を意味し、太陽が昇る方向でもあります。東は春、春の訪れと陽気を祝う行事なんですね!

関西・大阪の住吉神社に初卯詣

関西・大阪で初卯詣なら住吉神社になります。
住吉神社は初辰詣が有名かと思いきや、鎮座が211年・辛卯(かのとう)年の卯月卯日である縁から「うさぎ」が神使とされ、境内には「卯の日」の名が残る参道もあるそうで、密かに卯神社なんですよ〜。関西は他にも京都の石清水八幡宮、加茂神社などがあります。

初卯の日は卯槌と卯杖

初卯の日に拝領できる「卯槌」…これは元々は卯杖と呼ばれる縁起物でした。

卯杖と源氏物語と枕の草子

卯杖は「うづえ」と読みます。卯杖は辟邪具(邪気を祓う道具)の1つで、それを用いた年中行事のことを指します。
元は中国から伝わった風習が由来のようです。
「日本書紀」に「持統天皇3年(689年)に大学寮から天皇に杖80枚が献上された」と書かれています。お正月の卯日に悪鬼を祓う道具として諸衛府から献上されたものなんですね!

卯杖と源氏物語

卯杖は源氏物語でも出てきます。浮舟の巻ですね。
「若君 (わかぎみ) の御前 (おまへ) にとて、卯槌 (うづち) 參 (まゐ) らせ給ふ。おほきおまへの御覽 (ごらん) ぜざらむ 程 (ほと) に、御覽 (ごらん) ぜさせ給へとて。」

現代語訳だと「若君様へこちらから卯槌 (うづち) を差し上げられます。そまつな品ですから奥様の御覧にならぬ時に差し上げてくださいと仰せになりました。」ですね。

卯杖と枕の草子

枕草子では卯杖も卯槌も出てきます。

「かたつかたなれば きしめくに、おどろかせ給ひて、「などさはする。」との給はすれば、「斎院より御文のさふらはんには、いかでかいそぎあげ侍らざらん。」と申すに「げにかかりけるかな。」とて、おきさせ給へり。 御文あけさせ給へれば、五寸ばかりなる卯槌二つを、うづゑのさまに かしらつゝみなどして、山たちばな、ひかげ、山すげなどうつくしげにかざりて、 御文はなし。「たゞなるやうあらんやは。」とて、御覧ずれば、うづちのかしら つゝみたる ちひさき紙に、山とよむ 斧のひゞきを たづぬれば いはひの杖の 音にぞありける御返しかゝせ給ふほども、いとめでたし。」

これは中宮が卯槌をもらって返事を書く場面で、この文を読むと杖状のものではなく、丸かったりと色々なバリエーションを感じます。

卯杖の作り方

卯杖は茶道で点初めに飾るため作って飾るそうです。
この卯杖の作り方は時代によってかなり違いがありますが、まずは現代の茶道でよく見るものをご紹介します。

邪気を払うとされる桃の木か柳の木に日陰の葛(ひかげのかつら)、やぶこうじ、りゅうのひげといったシダ植物の仲間を長く垂らしたものを鳥の子紙などで包んで床の間に飾ります。

言葉だけでは全く分かりませんね…。

また日陰蔓卯杖飾りについて「生花早満奈飛」という天保6年(1835)に書かれた生花の本に書かれています。 それによると「桃か柳の杖に日陰蔓を長く懸かけ垂らし、両脇に藪柑子の実と 藪蘭を添え、さらに楮の繊維で作った白布を懸けて、その頭を鳥の子紙で松葉重または紅梅重で包んだもの」のようですね!

他にも枕草子の「心ちよげなるもの」の中にも卯杖について書かれています。

曾波木 (そばき) 、柊 (ひいらぎ) 、棗 (なつめ) 、毛保許 (むぼこ) 、桃、梅、椿、栢 (かしわ) 、柳、木瓜 (ぼけ) 、榠樝 (からぼけ) 、松などの木 を、5 尺 3 寸に切って、ひとつ、またはふたつ、またはみっつずつ、五色の糸で巻いたもの

ちなみに卯槌は

桃の木を長さ三寸幅一寸ほどに切って、縦に穴をあけて五色の組紐を通して垂れたもの
になります。
卯槌も卯杖も、生花や茶道の世界以外では全く効かない言葉になりつつあります。
また自分で作るのはかなり難しそう!なんていうかプロフェッショナルな技が必要そう!
初卯の日や二の卯、三の卯の日に卯杖や卯槌を拝領できる寺社がありますので、ぜひ初の日には参拝をされるといいでしょう。

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