明晰夢…自分が夢をみていると自覚しながら見ている夢、それが明晰夢です。
普通、夢の中で自分が夢を見ていると自覚することはありません。
でも「これが夢」とわかったなら、夢の中ではやりたい放題…夢の世界を楽しむことができます。そしてこの明晰夢、潜在意識で願いを叶えることと深く関係していると言われています。
- 明晰とは夢であることを自覚しながらみる夢
- 明晰夢の意味、明晰夢はなんの役に立つの?
- 明晰夢をみる方法
- 明晰夢誘導の記憶法(MILD:Mnemonic Induction of Lucid Dreams)
- 明晰夢をみるWILD法(Wake Induced Lucid Dream)
- 睡眠サイクル調整法、CAT(Cycle Adjustment Technique)法/h3> この睡眠サイクル調整法も初心者向きの明晰夢をみるテクニックです。 やり方は非常に簡単で、起床時間を習慣化しその習慣になった起床時間に明晰夢を見るのです。
- 起きたらもう一度ベッドに戻る、二度寝して明晰夢を見るWBTB(Wake Back to Bed)法
- 目覚ましで二度寝して明晰夢をみるDEILD(Dream Exit Initiated Lucid Dream)法
- 明晰夢を見るためのリアリティチェック法
- 明晰夢の危険性
明晰とは夢であることを自覚しながらみる夢
明晰夢とは夢の中で夢を見ていると自覚しながらみる夢のことです。そのため、夢の中にも関わらず、全てのことをコントロールすることができます。
明晰夢は非常にリアルなことが多く、嗅覚、味覚、触覚、視覚、聴覚を感じることができるようになります。
通常の夢と明晰夢の違い
通常の夢は曖昧で、霧がかかったようにぼんやりとしか思い出すことができないものが多いでしょう。自分の行動も制御できず、物語性があっても奇想天外で登場人物も場所も時間も脈絡がなかったりします。これはノンレム睡眠中にみた夢を記憶しているためです。
通常の夢はレム睡眠中にみている夢が多い
私たちは毎日のように夢をみています。夢なんてみてない…という人でも実は覚えていないだけで夢をみているのです。
夢はレム睡眠と呼ばれる睡眠の時にみています。
レム睡眠とノンレム睡眠
一見するとただじっと休息しているように見える睡眠ですが、脳と体は二つの異なる質の睡眠を周期的に繰り返しています。それがレム睡眠とノンレム睡眠です。
レム睡眠 ノンレム睡眠 役割 ・からだの休息
・記憶の整理、固定
・技能の習熟・脳の休息
・体組織の修復
・成長ホルモンの分泌
・エネルギーの節約
・免疫機能の増強状態 ・眼球がキョロキョロ動く
・身体の力が完全に抜けている
・呼吸や脈拍が不規則
・夢を見る・入眠直後に現れる
・身体を支える筋肉は働いている
・眠りが深くなるに連れて呼吸数と脈拍数が安定し少なくなる
・夢はほとんど見ない
レム睡眠は体が深く眠っているが脳は起きており、全てのパワーを情報(記憶)の整理や固定に使っているのです。しかしレム睡眠の大脳は活発に活動していますが、思考を司る前頭葉は休息しています。ここが明晰夢との差なのです。
明晰夢をみている時は前頭葉が覚醒している、だから自分の思う通りの夢をみることができる
体は休息しているのに脳が起きている時に見るのが夢…さらに思考を司る前頭葉が目覚めている時に明晰夢をみています。通常レム睡眠の時はシータ波が出ていますが、明晰夢を見ている時は集中している時に出すガンマ波という脳波が出ていることがわかっています。これは明晰夢が考えながら見ている夢であるということなのです。
夢の役割
夢は右脳が作り出しています。それを左脳が認知し、夢という記憶が残るのです。
右脳と左脳の間には脳梁が橋渡しとして存在しています。脳梁が働いて左脳に届かなければ夢にはならないのです。
夢は「その人が直近の情報を整理するために見ているもの」ということが最近の研究でわかっています。
明晰夢の歴史
明晰夢という言葉はオランダの作家で精神科医のFrederik van Eeden(フレデリック・ウィレム・バン・エーデン)氏が20世紀になってからつけました。彼はmental clarity(海外のサプリなどでよく見る言葉です。気分爽快とかメンタルヘルスの一種的な言葉でしょうか…)の一つとしてこの明晰夢という造語を作りました。
ヒンズー教に強く影響を受けたこともこの言葉を作り出す土台となっていたようです。
これよりもさらに昔、1000年以上も前からチベット仏教では「ドリーム・ヨガ」という明晰夢をみるヨガが行われています。ヨガはもともとヒンドゥー教の修行の一つ。仏教では死後も意識は存在すると考えられていました。死の体験は夢の体験と同じであり、夢の中で夢と気付くことが「死後の中有」の状態に備えることができるため修行として、明晰夢を修行に取り入れたのです。
明晰夢が科学的に証明されたのは1975年
1960年代に入ってからセリア・グリーンがレム睡眠と明晰夢を関連づけることに成功しました。彼女はイギリスの哲学と心理学に関する作家で明晰夢について研究していました。
そして1975年、イギリスの超心理学者キース・ハーン氏が明晰夢を科学的に証明しました。しかしレム睡眠中の眼球活動を観察し明晰夢を見ている被験者から合図を受け取るというこの実験は科学雑誌には掲載されなかったのです。キース・ハーン博士はその後も睡眠と夢について研究を進めており、現在は睡眠や催眠療法の権威として知られています。
キース・ハーン氏の証明後、スタンフォード大学の精神生理学者ステファン・ラバージ博士が同じ実験を再現し、明晰夢に関する様々な書籍を出版しました。これらの書籍は日本でも数多く出版されています。彼は後述のMILD法といった明晰夢をみる方法も開発しています。
明晰夢の意味、明晰夢はなんの役に立つの?
ではこの明晰夢、一体なんの役に立つのでしょう。この明晰夢をみることに意味はあるのでしょうか。一般的な普通の夢は「脳が情報を整理する」という役割を果たしている事がわかっています。
しかし、思考しながら見る明晰夢にはより人生や生活に役立てる事ができるのです。
明晰夢はストレスの解消に役立つ
明晰夢の中では自分が思った通りに事が運びます。空を飛ぶことも、深海に潜ることも、宇宙に飛び出すこともできるのです。大嫌いな奴をやっつけることも、大好きな人と付き合うことも、好きなものを好きなだけ食べることもできるのです。
半端なく自由…!!
この明晰夢によって、非常にストレスが軽減し、人生が潤うことは間違いがありません。
明晰夢を見ることで自分を成長させる事ができる
明晰夢で自分のやりたいことを一通り行なった後、大体の人は明晰夢が「自分を成長を促す」事ができると知ります。
なぜなら、苦手なことや緊張することを明晰夢の中で練習がわりに行なっておけば、実際にその場面に遭遇しても無事にやり遂げる事ができるからです。
また新しいスキルの獲得も通常よりも早く行えます。明晰夢の中で練習しておけるためです。
明晰夢で苦手なものを克服できる
明晰夢の中で苦手なものや怖いと思っているものと向き合う事で、それを克服することもできます。自由にできる夢の中なら、どんなものでも変化させて好きに処理できるし、自分が相手より強くなることも可能ですから。
明晰夢は創造力を向上させる
世界が全て自由になる明晰夢を見ると創造力が向上し、驚くようなクリエイティブな発想ができるようになります。
明晰夢は自分の潜在意識を理解する助けとなる
少し、スピリチュアル的ですが自分の潜在意識をよく知り、さらに深く潜在意識と繋がる事が、明晰夢を見ることによって可能になります。
明晰夢をみる方法
確実に明晰夢を見る事ができる科学的な方法…というものはまだ確立されていませんが、近年、明晰夢に関する研究が進み、かなりの高確率で明晰夢を見る事ができるようになりました。
いくつかの明晰夢を見るためのテクニックがあり、それぞれ解説していきます。
明晰夢誘導の記憶法(MILD:Mnemonic Induction of Lucid Dreams)
1970年代にアメリカの精神生理学者ステファン・ラバージによって開発されたMILD法はもっとも初心者向きと言われるやり方です。初めての方はこの方法で試してみるといいかもしれません。
MILD法は大まかにいうと、「夢の中で夢だと気がつく」方法だと言えます。「次は夢の中にいる」と自覚して眠るのです。
- アラームを5時間後に設定して眠る(これはレム睡眠の周期を考慮した時間です。いつもこの時間くらいしか眠らない人では難しいかも)
- アラームで目覚めた後は夢のことを思い出す(直前の夢がいいのですが、無理なら一番最近の夢を思い出しましょう)
- 「次に起きた時は夢の中にいる」とか「次に夢をみるときは、それが夢だと気づく」とか唱えながら眠りにつきます(この時、直前の夢を思い出し、その中にいる自分が夢だと気づいている様子を鮮明に想像しながら眠りにつきましょう)
- 3を眠りにつくまでなんども繰り返す
この方法の成功率をあげるには
- 夢日記をつける
- 普段の生活でも「これが現実かどうか」を考えることを習慣づけし、夢の中で夢か現実かを判断できるようにする
- 自分の睡眠サイクルを知ってレム睡眠中に起きて夢を思い出せるようにする
などが有効です。
明晰夢をみるWILD法(Wake Induced Lucid Dream)
この方法は全体として瞑想や幽体離脱に近い方法だと言えます。
ドリームヨガに近いです。WILD法を極めると、好きな時に明晰夢をみる事ができるようになります。
ドリームヨガでは瞑想状態から明晰夢に入る事ができます。まさに自分から夢の世界に入るわけです。
- 肉体的、精神的にリラックスした状態を作り出して、横になり睡眠体勢に入る
- 睡眠たいせに入ったまま瞑想を始める
- 瞑想状態になったら、自分の理想とする夢を想像する
- 明晰夢へ
この方法では、最初にリラックスした状態を作り出す前に4〜5時間ほど眠ってレム睡眠が長くなる状態の時に始めるとより成功率が高くなります。
夜中に目が覚めた時や日中どうしても眠くて我慢ができない時に行うのもいいでしょう。
この方法では最初のリラックスから瞑想状態へ突入していく部分がもっとも難しい方法です。
睡眠サイクル調整法、CAT(Cycle Adjustment Technique)法/h3> この睡眠サイクル調整法も初心者向きの明晰夢をみるテクニックです。 やり方は非常に簡単で、起床時間を習慣化しその習慣になった起床時間に明晰夢を見るのです。
- 明晰夢を見る準備として一週間、目覚ましを使っていつもより90分早く起き続けます。
- 8日目以降は、これまでと同じ時間に起きる→アラームで早起き→れまでと同じ時間に起きる→アラームで早起きと交互に起きる時間を変えます
- いつも通りに起きる時間の日に明晰夢をみるようになる
この方法は睡眠サイクルをわざと調整してレム睡眠が起床時間にかかるようにしていく方法です。意識の中では明日は長く眠っていられる…と思っていても、体の方はいつもより90分早く起きてしまいますので、そのズレが明晰夢を引き起こすこととなります。
起きたらもう一度ベッドに戻る、二度寝して明晰夢を見るWBTB(Wake Back to Bed)法
WBTB法も睡眠サイクルを調整して明晰夢をみる方法です。上記の睡眠サイクル調整法に近いやり方です。
しかし睡眠サイクル調整法よりもすぐに行って、一回で終わるのでやりやすい方法ではあります。
- 目覚ましを5〜6時間後にセットして寝ます。これは眠ってから5時間以上経過させる必要がありますので、すぐに眠れるなら5時間でいいのですが、寝つきが悪いなら6時間と調整しましょう。
- 目覚ましが鳴ったら数分から数十分起き上がって、軽い活動をします。ベッドに寝ていたら、起き上がって出た方がいいです。この時間帯は20分以上起きた方がいいとか、数分でいいとか色々言われていますが、起きすぎてしまうと二度寝できなくなりますので、注意しましょう。
- 布団に戻って二度寝します。この時、瞑想や入りたい夢について考えるとよりいいです。
- 二度寝中に明晰夢に入れます。
目覚ましで二度寝して明晰夢をみるDEILD(Dream Exit Initiated Lucid Dream)法
この方法はWBTB法に似ています。違うところはすぐに瞑想に入って、二度寝してしますところです。身体的な負担はこちらの方が低く、トライしやすい方法です。
- 目覚ましを5〜6時間後にセットして寝ます。これは眠ってから5時間以上経過させる必要がありますので、すぐに眠れるなら5時間でいいのですが、寝つきが悪いなら6時間と調整しましょう。
- 目覚ましの音で目が覚めたらそのまま動かずに瞑想に入るようにします。
- 瞑想しながら、明晰夢に入っている、夢の中で夢と気がつくと強く意識しながら眠ります。
- 二度寝中に明晰夢に入ります。
明晰夢を見るためのリアリティチェック法
これは常日頃から「これは現実かどうか」を確認する習慣をつけ、夢の中でも習慣化された同じ動作をすることによって、夢の中にいると気づいて、明晰夢を見るという方法です。
例えば口を閉じて深呼吸をすることを習慣化しておくと、夢の中では口を開けて深呼吸をしたような違和感があり「これは夢だ!」と気づきます。
また指を数えながら「これは夢か現実か」を自答自問する習慣をつけるのもいいでしょう。
明晰夢の危険性
明晰夢は確かに人生を豊かにしてくれます。そして時には新しいスキルの習得や恐怖体験を克服してくれることもあるでしょう。
しかし明晰夢にはその人の健康を概してしまう危険性も孕んでいます。特に脳の発達が睡眠によって促される若年者はやめた方がいいでしょう。
PTSDやうつ病など心に問題を抱えているときは明晰夢を見る方法にトライするのはやめよう
明晰夢を見る方法は、睡眠のサイクルに変化を起こす方法です。
心の健康に問題を抱えている時、睡眠の質は病気の回復を左右します。良い質の睡眠が必要なのです。
明晰夢をみて気分をリフレッシュしたい時は、専門のお医者さんに相談しましょう。
単純睡眠の質が悪くなる
睡眠のサイクルに変化を起こすので、単純に睡眠の質が悪くなります。
眠りがよくなければイライラしますし、日中もミスが多くなります。人生や健康をかけてまで明晰夢を見る必要はありません。
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